「俺のこと、憎いんでしょ?」
「あんた、今、ひま?」
非通知の電話を取るといきなり山内の声がした。
「山内か?」
「そ、俺。あんたのスイートハートじゃなくて、すまないな」
「何か用か?」
「用があるから電話してんジャン。あのさぁ、うちに来ない?」
「おまえのか?」
「うん」
「何、企んでやがる?この腐れけつまんこが!」
「あんた、俺をパクリたいんだろ?来いよ。いつも、アポ無しで押しかけるくせに」
「このくそがき!警察をからかうとどんな目に遭うか、思い知らせてやるぞ!」
「待ってるから、早く来いよ」
時計を見ると、8時を少し回っていた。
今日は早く帰って、パートナーと飯でも食おうと思っていたが、
及川は山内の部屋に行くことにした。
青山の山内のマンションの前にはいつも、マル暴の刑事が車で張り付いている。
「及川だ。なにかあったら連絡するから、よろしく頼む」と刑事たちに言い、中に入る。
「山内はいるか?」とインターホーンを押すと「どうぞ」と男の声がした。
いつも、山内の傍にいる斉藤の声だ。
ドアをあけ、立っていた斉藤を押しのけて山内の部屋のドアを開けた。
「遅いじゃん。待ちくたびれたぜ!及川警部さん」と山内が言った。
白いTシャツとジーンズ姿の山内がベッドの上でバーボンを生で飲んでいた。
「お前、何されたいんだ?ええ!」
「俺のこと、尋問したいんだろ?殴ったり、蹴ったりしろよ」と山内が言った。
「ほぉ、お前は変態か?そうして欲しいのか?」
「ああ、斉藤にやれって言っても、あいつやらねぇんだよな。あんたなら、俺のこと縛って苛めるなんざ、お手のもんだろ。ただし、殺さないでくれよ。あんた、何でもでもやり過ぎるから、龍太郎にも嫌われるんだよね」と山内はヘラッと笑って言った。
「うるせぇ!そうか、お前はどMの変態野郎だったよな。韮崎に死なれて、変態行為をしてくれる奴がいなくなって寂しいのか?」
そう言うと、及川は山内のむなぐらを掴み、顔を拳で殴ろうとした。
「顔殴ったら、訴えるよ」
「なんだとぉ!上等じゃねぇか、じゃあボディに決めてやる」と拳で山内の腹を殴った。
「うぅ……、きくな……」
顔をゆがめ、腹を押さえた山内がベッドに倒れこんだ。
部屋を見渡すと竹刀が部屋の隅に立てかけてある。
「これで、俺のこと責めろよ。あんた、俺のこと憎いんだろ?」と山内が言った。
「上等だ。後で後悔するなよ」
及川は上着を脱ぎ、ネクタイを弛めると、竹刀を手に持って、ビュッビュッと何度も振り下ろした。
「さぁ、若さまをどうやっていたぶってやろうか。そういゃあ、お前SMクラブで働いてたんだよな」
用意されていた縄で縛り上げ、及川は山内の背中・腹・脚を竹刀でビシッビシッと叩きつけた。
動けない山内を時々、脚で蹴り上げ、また竹刀で叩く。
「ウッ……」と山内は呻くが、それが痛みによるものなのか快感なのかは分からない。
「お前はつくづく、変態だな。俺がお前を殺すたぁ思わないのか?喉を竹刀で突き上げたら、
おだぶつなんだぜ?」と及川は竹刀の先を山内の喉仏に当て、目を眇めて言った。
「殺したけりゃ、殺せよ。誠一は俺をとうとう殺すことが出来なかった。だから……殺されたんだ」
「おまえ、殺せって言ったな。殺してもいいんだな!」
「ばっかじゃない、言っただけ。プレイだよ、プレイ。ここんとこ、ご無沙汰だったじゃない、あんた」
「お前は本当に男娼だな!そうやって、韮崎も龍もお前がダメにしたんだ!今日こそ、殺してやる!」
そう言うと、及川は容赦なく山内を力いっぱい竹刀で打ちつけた。
いい加減打ち付けたところで「う……」と山内がガックリと首を垂れ、ベツドに倒れこんだ。
及川は気を失った山内を抱き上げ、縄をほどき、Tシャツとジーンスを脱がした。
山内の身体には竹刀の跡が無数に付き、うっ血して紫になっていた。
ボクシングで鍛えられた身体は引き締まり、筋肉に覆われていて、艶かしい。
透き通るような肌の白さと女のようなきめの細かさが及川をそそる。
どれだけ弄ばれて来たのかわからないのに、
山内のペニスは勃起すると羨ましいほど若々しい桜色になる。
こいつ、勃起してやがる。
ふと、山内の身体から白檀の強い香りがするのに気が付いた。
こいつは根っからの男娼だ。この香りとペニスで龍もこいつに……。
「起きろ!」
ペットボトルのミネラルウォーターを頭にかけると、山内がうっすら目を開けた。
「やんないの?」と及川を誘うように山内が言った。
「待ってろ」と及川は言うと、コンドームを取り出して付け、
強引に後ろから山内の中に入った。
「痛いよ、もっと、ゆっくり…」
「うるさい!」
及川は韮崎と同じように、強引に練の中に入り、練を突き上げる。
誠一と似てるんだよ、あんた。
体型も、好みも、しぐさも、何もかも。
男の好みもな……。
「キスして」
及川の舌が練の口の中に入り、舌と舌が絡み合う。
巧みな舌の動きに及川はあやうくイきそうになり、自分を押しとどめた。
誠一としてるみたい。あんたは気が付いてないの?
及川は動きを早めながら、練のものをしごきあげる。
色素が薄い練の身体は、セックスする時、ほんのりとピンク色に染まる。
潔癖症の及川が他人の球を触る事などめったにないが、
薄ピンク色の練のものだけは抵抗無く袋ごと弄び、もみしだく。
練の背骨に電流が走り、ペニスの先端が焼けつくようなる。
「あぁん……、ぅぅぅ…、くっっ……」
練の腹筋が波打ち、先走りが流れ出る。
及川が強く突き上げると練は自分で扱いて、白い精を自分の腹の上に吐き出した。
「まだ、イけるな」と及川が言う。
何度もイかせたがったり、先にイかせたがる所も誠一に似てる…。
一度イった練をさらにイかせる為に及川は練の脚を広げさせ、体位を変えて、突き上げる。
「そこ…、いい……、ぅ…う…くっ……」
韮崎と同じ細身だが硬度のあるものが練の疼く場所を探し当て、何度も何度も刺激する。
その度に及川を締め付け、その刺激でますます感じ、練の桜色のペニスは張り詰めていく。
快楽をむさぼる練の顔を及川がジッと見つめ、
「このど淫乱が、早くイけ!」と腰の動きを早めた。
「あ…あ……ぁ…」と声が漏れ「イく……」と言うと同時に白い液が吐き出された。
唇をかみ締め、細かく痙攣している練を及川は瞬間、愛しいと思う。
そして、動きを早めて、自分もイった。
「あれ?もう帰るの?」
「もう、お前に用はない」
「なに?それ?」
「そういうことだ!龍を誘うときは俺が邪魔しに行くから覚えておけ」
「あんた、まだ、龍太郎に未練あるの?いっそのこと3人でする?」
「お前は馬鹿か?龍がするわけないだろ!」
「確かに。あの、おっさん、妙にそうとこ真面目なんだよね。アハハハ」
「お前、龍に俺と寝てること言ったのか?」
「言う訳ないじゃん。俺もあんたも寝てることがばれて、お互い良いことなんかねぇぜ」
傷の手当てをしながら、斉藤はため息をついた。
「いてぇよ、もっと優しくしろよ、斉藤」
「若、こんなにされて、黙ってるんですか?」
「たまに、虐められるの好きなんだよな」
「じゃ、俺がやりますから…」
「お前、手抜きするジャン。だから、及川の野郎を呼んだんだ。あいつ、サディストだからな」
「及川はただ単に若が麻生を追いかけてるのが気に入らないんですよ。そのうち、本当に殺されますよ」
「大丈夫だ。あいつには俺を殺せない。もし、殺したら、龍太郎が黙っちゃいないからな」
「………」
「そんな顔するな。お前ともやるからさ」そう言うと練は斉藤を抱きしめ口付けた。
[2009年 7月 21日]
うーん、今回もイマイチ。いつもイマイチなあてくし。スマン。ちょっとだけ、斉藤祭的な淫乱練の巻でした。及川と練って難しいなーーー。今回、練たんのおいなりさんまで書いてみた。ひんしゅくものでしたら、お許しあれ。でも、ピンク色できれいなの、たぶん。アハ。